日本電産、三菱よりEV技術取得

日本電産は三菱重工業の子会社で

自動車用ギアの生産設備を手掛ける

三菱重工工作機械を買収する方針を固めた。

買収額は300億円程度の模様。

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日本電産公式サイト

https://www.nidec.com/jp/

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成長事業と位置付ける電気自動車(EV)用

駆動モーターの性能向上に不可欠なギアの技術を取得、

内製化を進め生産コストの抑制や納期短縮を目指す。

EV市場の拡大を睨んだ

M&A(合併・買収)が本格化してきた。

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三菱重工は国産旅客機「スペースジェット」の

事業化凍結など航空関連事業の不振を受けて

リストラを進めている。

売却するのは同社の工作機械事業を

分割した全額出資子会社。

自動車の変則部品やロボットの減速機に

必要なギアを作る。

工作機械や切削工具を扱い、国内で6割のシェアを握り、

2019年ドの連結売上高は404億円だった。

日本電産はモーターにギアなどを組み合わせた

EV用の駆動システムを19年から量産しており、

すでに25年までに250万台分の受注を得ている。

買収で精密な加工技術が求められるギアの

自社による製造割合を増やす。

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中国や欧州など世界では、排ガス規制が強まっている。

自動車メーカーのEVシフトが進む中で

ガソリン車のエンジンにあたる

EV駆動モーターを巡る競争も厳しくなっている。

永守重信会長、最高経営責任者(CEO)は

1月の決算説明会で主要部品の内製化を進めて

生産スピードを高める方針を表明。

「技術を持つ企業のM&Aも積極的に実施する」と

明らかにしていた。

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【2021年 Vol.038】担当:荒川正歩