アップル、日本勢に打診か(後編)

2021年2月5日の日経新聞朝刊

アップルカーを巡っては、アップルがお膝元の

米カリフォルニア州で市販車を改造した60台の

自動運転車を使った公道走行試験を進めており、

半ば「公然の秘密」となってきた。

州当局への届け出によると2019年11月までの1年間で、

地球の直系に相当する約1万2千kmを走った。

一時は開発縮小も噂されたが、最近は開発が

前倒し気味になっており25年頃までに

製品化にこぎつける計画で交渉が進んでいるという。

今後はアップルのパートナーが最終的に

どの企業になるかが焦点となる。

既存の自動車業界は完成車メーカーを筆頭に

「ティア1」(一次下請け)などピラミッド階層になった

部品の系列サプライヤー網を構築し、

調達から生産、販売までを一貫する

「垂直統合モデル」を採用してきた。

3万点に及ぶ部品で構成するエンジン車の場合

品質向上とコスト削減に向けこうした体制が

不可欠だったためだ。

☆ビラミッドの頂点に立つ

完成車メーカーにとっては、IT(情報技術)大手の

受注生産を受け入れる事が事実上の

「下請け」に回ることを意味する。

主役交代になるだけに「大きいメーカーほど

決断をしにくいだろう」

(日系中堅自動車メーカー幹部)

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将来は、自動運転車を使った配車サービスが

スマートフォンの基本機能の一つとなる可能性もあり、

アップルは競争対抗上、モビリティー分野への

投資を避けられなくなっている。

モバイル端末向けの基本ソフト(OS)で

アップルと競合する米グーグルは、

2009年に自動運転技術の開発に取り組み始めた。

現在はグループ会社のウェイモを通じて

米アリゾナ州で無人の「ロボタクシー」の

試験サービスを始めている。

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米国勢に限らず、中国のIT大手もEVへの

参入を着々と進める。

同国ネット検索大手の百度(バイドゥ)は、

自動運転技術を搭載したEVの製造販売で

浙江吉利控股集団と提携し、配車アプリ大手の

滴滴出行(ディディ)はライドシェア専用EVを

比亜迪(BYD)と開発した。

アップルは投資に回せる資金余力も大きく、

テスラの参入時とは異なる。

既存のメーカーにとっては脅威となる。

自動車メーカーはEVシフトと

巨大IT企業の参入で大きな決断を迫られることとなる。

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私は、2015年からこの事に言及し、発信し続けていた。

実際、台湾でPV博に出展したとき、

TSEC社(私たちが出展したブース)の同じブースに、

EV車と走行中に送電できるシステムは、

すでに展示してありました。

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YouTube:2017年台湾PV博

https://www.youtube.com/watch?v=vNjEVzDl5Ew

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テスラの企業価値は日本一の

企業グループ「トヨタ」の10倍。

化石燃料から再生可能エネルギーと

「エネルギー」という視点から見ても、

中東から南アメリカへと世界地図も変わってきている。

もし今あるものを使い続けるんだという

発想の経営者がいるとすれば、

自分だけの事としか考えていないことになる。

そんな経営者に身をゆだねる社員は悲惨だ。

これを国に置き換えると国の指導者の

考え方一つで国の行方が左右される。

ほんと菅さん、頑張ってください!

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【2021年 Vol.041】担当:荒川正歩