1月 18 2021 0 ゼロカーボン ペログスカイトと呼ばれる結晶構造を持つ太陽電池を開発し、その効率はシリコン製太陽電池に肩を並べるレベルに届いている。2050年には太陽電池で日本の電力需要の40%賄うと期待しており、ペログスカイト電池がその半分を占めることも可能だ。大量生産できれば、価格はシリコン製の半値となるだろう。ペログスカイト構造を持つ特殊な原料をプラスティック製フィルムに塗布し、乾かして電極を挟めば軽くて曲げやすい電池になる。重いパネルを屋根に付ける太陽光とは違い、建物の側面に貼り付けて発電できる。直射日光でなくても高い効率で発電するので、マンションのベランダで家庭菜園のように電気を作れる。ロール状の電池を各家庭が一つ持つだけでかなりの量の発電が可能になる。日本で一気に広がるとすれば、EV車載用だろう。フル充電は難しいが、出力を住宅に繋げれば家電を動かせるのに使える。「あらゆる場所を太陽電池で埋め尽くせる」街中を再生可能エネルギーの発電所に変える。ここ10年余りで発電効率を急速に高め、今の太陽光電池(結晶系)の20%台に迫る。米スタンフォード大学のチームは製造法の革新で1Kwhあたり2円前後と最も安いコストで製造できる再生可能エネルギーの一つとなる。ペログスカイト型太陽電池を2009年に開発したのは桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授だ。ノーベル賞の候補にも挙がる。「中国にはこの電池の研究者が1万人はいる。日本の10倍超だ」日本が太陽光電池の性能で先行しながら、市場の獲得で海外勢に敗れた苦い過去が頭をよぎる。発電の適地が限られる都市部などでは、ペログスカイト型は不可欠。日本の技術で再び負けるわけにはいかない。【2021年 Vol.018】担当:荒川正歩 投稿ナビゲーション 過去の投稿前 コミュニケーション力とは次の投稿次 今こそ、国産国消