日本のエネルギー事情

地球環境の変化は「温暖化」ではなく

「気候変動」と考えるのが正しい見方だろう。

その原因は必ずしも二酸化炭素(CO₂)の

増加だけが原因ではないと思う。

有限で貴重な化石燃料を一方的に消費した結果

CO₂濃度が増加した。これは抑えるべきだ。

エネルギー消費の抑制、

特に電力消費の抑制が第一である。

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仮にEVを100%にするとしても、

電池の生産や充電などでCO₂は生じる。

つまり、車そのものを減らさなければならない。

都市部では路面電車を復活させ、

自家用車の排除を考えてもよい。

先進国の都市では、オフィスビルの

電力消費に無駄がある。

生活圏では自動販売機を減らしたり、

加工食品の過剰生産と食品ロスを

無くしたりといった対応がいる。

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再生可能エネルギーの生産より、

エネルギー消費そのものを

減らすことを考えるべきだ。

日本はエネルギーの90%以上を輸入に頼っている。

ノルウェーなど北欧の国のように

水力、風力、太陽光、水素燃料などの

再生エネのみでは産業を支えられない。

思い切ったエネルギーの節約を

しなければいけないのが日本の弱点と言える。

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日本列島は雨量が多く水に恵まれているが、

山地が多く傾斜が大きい地形が大雨などによる

大きな水害につながっている面もある。

島国を取り囲む海水の温度変化による

気候変動が農業や水産業、生態系に

与える影響も顕著である。

防災と減災を進めるうえでも、地形からくる短所を

日本人の叡智で長所に変える必要がある。

決め手となるのは「知」という新たな資源だ。

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【2021年 Vol.020】担当:荒川正歩